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受賞者一覧

令和7年度/第47回受賞者

食品産業部門(農商工連携推進タイプ)(2024)
農林水産大臣賞

中田食品株式会社

代表取締役社長:中田 吉昭
所在地:和歌山県田辺市
業種:梅干し、梅酒、梅加工食品の製造・販売
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【功績申請の概要】

  • 梅を素材に、健康で豊かな食生活のため、伝承の技を守りつつ、時代に合わせた梅製品の開発に取り組んでいる。また、生産者と共に産地の維持・発展に積極的に取り組んでおり、事業を通じて地域社会の発展に貢献している。
  • 中田食品株式会社 代表取締役社長 中田 吉昭氏は、和歌山地区漬物協同組合、紀州みなべ梅干協同組合、紀州田辺梅干協同組合の3団体からなる和歌山県漬物組合連合会の理事長をはじめ、関西漬物協会の副会長、全日本漬物協同組合連合会の常務理事を務めており、地元だけでなく、広く和歌山県内外の漬物業界の振興発展に尽力している。

●功績申請の具体的内容

〇創業明治30年。梅の大産地・南紀田辺で地域伝承の紀州梅を素材に、減塩調味梅干しを開発し、さらに梅酒や梅加工食品の製品開発にも取り組んでいる。
日本一の梅の生産地に身を置き、地場産業である梅を中心に事業を展開し、古くより地域の皆様とともに共存共栄の精神のもと歩んできた。梅は農作物であり、作柄は天候等の自然の影響を受けやすいことや、後継者問題なども含め生産農家の課題は多い。紀州梅干しのトップメーカーとして、全国の量販店等へ安定して商品を供給していくためには、梅を栽培する生産農家の収入安定も必須であり、豊作・不作に大きく左右されることなく、比較的安定して白干しの原料梅を買わせていただくことなど、一体となって課題に取り組んでいる。

 

〇現在開発中の新商品、梅を使ったお土産菓子は、その原料に、梅干しに加工できない収穫後期の原料梅を活用している。シーズン終盤に収穫される果実は完熟しすぎているものも多く、高品質な梅干し用に使用できず、これまで有効利用されていなかった。その果肉をスイーツのソースの原料として活用することで、これまで未利用だった梅原料を生かすことができ、生産農家の収益改善にもつながることになり、後継者問題も含めた持続可能性に貢献できる。

 

〇生産者への技術指導等、農林水産業への支援
食品加工会社として持続可能な梅産地の育成につなげるために、生産者(農家)に対しては、梅を適正な価格で買い入れることや、自社での原料加工体制を強化することで一次加工における農家の作業負担を一部軽減することなどに取り組んでいる他、梅栽培の支援を目的とした農業法人への出資により、人手不足や後継者難など農業経営の課題を解消するためのバックアップをしている。
また、より良い品質の梅を作ってもらえるように、農家と連携して「なかた名人会」という栽培技術交流のグループを発足させている。

 

〇国産農林水産物を利用した新商品開発
昭和42年に発売された看板商品である「梅ぼし田舎漬」は、それまでの多くの梅干しが塩辛く酸っぱいものであった中、紀州の郷土料理「青魚の梅煮」をヒントに鰹だしや調味料で味付けし、低塩で食べやすく美味しい味の梅干しに仕上げたことにより、多くのお客様からご好評を得ることとなり、昭和48年には通信販売をスタート、現在も多くのお客様にご愛顧いただいている。
また、「梅ぼし田舎漬」の伝統の味を守りつつ、一方で、平成14年には、世の中の減塩・健康志向の流れに対応した塩分5%の「しらら」を開発、紀州産完熟南高梅の風味を生かしながら、程よい酸味とほんのりやさしい甘さの唯一無二の味わいで、通信販売の人気№1梅干しになった。
以後も減塩製法を駆使して、時代に求められている商品のラインナップを充実させており、具体的には塩分3%の「おいしく減塩シリーズ」他が、令和4年6月、日本高血圧学会 減塩・栄養委員会の「JSH減塩推進10年アワード」を受賞し、食塩含有量の少ない食品(JSH減塩食品リスト)に掲載された。(令和7年4月現在、当社の調味梅干し8製品が掲載されている。)
最近では、梅を使ったお土産菓子を開発中で、原料に、梅干しに加工できない収穫後期の梅を活用している。シーズン終盤に収穫される果実は完熟しすぎているものも多く、高品質な梅干し用に使用できず、これまで有効利用されていなかった。その果肉をスイーツのソースの原料として活用することで、梅干しでは酸っぱさや塩分が高いと敬遠されがちな梅の魅力を再発信することができる。

 

〇環境への取り組み
2019年に「梅調味液バイオガス発電所」を開設。それまでは調味梅干し製造の際に発生する調味廃液を産業廃棄物として処理していたものを再生可能エネルギーとして再利用することで環境への負荷を低減し、地球温暖化防止に貢献。また、自社だけでなく他社の調味廃液も受け入れることで、地域の梅産業の永続的な発展への貢献にもなっている。

 

〇地域の雇用先としての貢献
人材確保に関しては、できる限り地域の雇用促進につながるよう地元の高校の卒業生やUターン人材を中心に採用している。また、定年後については、65歳の再雇用終了後も働く意欲のある人に就業機会を確保するよう努めており、現在では70歳を超える方にも活躍してもらっている。
さらに、就労継続B型事業所を運営する社会福祉法人に、工場用作業服のクリーニング業務を委託するなど、就労機会の創出にも積極的に取り組んでいる。