受賞者一覧
令和7年度/第47回受賞者
食品産業部門(経営革新タイプ(経営の近代化))(2025)
農林水産大臣賞
築野食品工業株式会社
代表取締役社長:築野 富美
所在地:和歌山県伊都郡
業種:米ぬか高度有効利用の企画、研究開発
こめ油の製造、販売、研究開発
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【功績申請の概要】
- 日本で一番多くのこめ油を製造しているメーカー。こめ油の精製過程で取り除く副産物から、液状油ではないペースト状のこめ油「ライステロールエステル」を独自技術により開発した。「ライステロールエステル」には、植物由来ながら動物脂の様なコクや乳感を賦与し、素材中に含まれる香気成分をエンハンス(強調・造形)する機能がある。
これらの機能により、時流であるプラントベースフードのコク不足や原料高騰による代替成分探索、風味劣化による賞味期限の限定性などの課題にアプローチできる素材である。
●功績申請の具体的内容
〇開発した技術の高度性
日本で一番多くのこめ油を製造している。こめ油の収率は米ぬかの約15%と低いが、副産物にも多くの天然由来機能性成分が含まれる。今回、こめ油の精製過程で取り除く副産物から、液状油ではないペースト状のこめ油「ライステロールエステル」を独自技術により開発した。「ライステロールエステル」は、天然の植物ステロール及びトリテルペンアルコールと脂肪酸のエステル体を多く含むこめ油である。精製の各工程における精度の高いコントロール技術により抽出を可能とした。
・ライステロールエステル出荷実績
食品向け:2011年1月出荷開始、化粧品向け:2010年4月出荷開始
〇開発した製品の独創性
ペースト状の油脂は一般的には水素添加や合成反応で作られるが、そのような工程を介さずペースト状の形状で独自のテクスチャーをもつ素材を開発した。推奨表示名は「食用こめ油」または「植物油」であることから、添加物の使用を控えたいユーザーも使用しやすい。
〇開発した技術・新製品の普及度
大手コンビニチェーンのパンに使用される練乳クリームにコクUPの目的として採用された。
また、加工油脂メーカーではマーガリンに添加し、バター風味を付与する目的で採用された。
さらなる展開を目指して、以下のワークを進行中。
・香料メーカー向けに、香味UP
・チョコレートメーカー向けに、甘さ、ミルク感、カカオ感のエンハンス
・スパイスメーカー向けに、香味UP
・おにぎりメーカー向けに甘みUP、塩味UP、旨味UP
これらの分野において、高騰する原料の使用量を抑えるツールの一つとして良い評価をいただいている。
〇開発した技術・新製品の社会(地域)への貢献
経済性
・賞味期限延長による生産性向上・物流負荷削減
・高価な原料代替によるコスト削減
社会性
・フードロス削減
・植物由来原料の活用
・お米の副産物の活用
米原油から米サラダ油の精製工程で取り除く副産物を食用として提供できた。また、ライステロールエステルの添加により、植物由来でありながら動物油脂のようなコクを付与することができる。また、香気成分や塩味や甘味といった水溶性成分のエンハンス効果がある。これにより、高価で合成由来を主とする香料や乳化剤の使用量を減らすことができる。その結果、コストダウンや自然由来指数向上につながる。また、ベジタリアン向け商材の開発に貢献できる素材である。また、風味向上の観点で賞味期限延長にもつながる素材である。





