受賞者一覧
令和7年度/第47回受賞者


【功績申請の概要】
- 愛媛県内34全ての蔵元が加入する本組合は、「県内産酒類製品の振興発展」という大きな使命のために活動しており、近年では特に販路開拓に力を入れている。国内の酒類消費量が減少傾向の中、海外に活路を求め、組合で海外商談会等に積極的に参加し、県内産日本酒等のPRを重ねてきた。 特に、組合員22蔵元が愛媛産の米と水で醸造する新製品「愛媛さくらひめシリーズ」は斬新な試みで、産学官連携で取り組んだ結果、愛媛県オリジナル品種の花「さくらひめ」から4種類の清酒用花酵母「愛媛さくらひめ酵母」を分離培養することに成功。その清酒用花酵母「愛媛さくらひめ酵母」を使った製品を旗頭に世界各国で販促活動を行い、着実な成果を上げている。
●功績申請の具体的内容
〇会員向け講習会・研修会の実施
毎年、青年部主導で県外蔵元杜氏等を講師に招聘して「県内蔵元の製造技術向上を目途とした講習会」を開催し、酒造技術の研鑽に繋げている。
◆令和7年度実施
テーマ 県内蔵元の製造技術向上を目途とした講習会
講師 松瀬酒造株式会社 杜氏 石田 敬三
事業の狙い
酒造業界においては、人口減少及び若者の酒離れ、コロナ禍以降の宴席の減少等により、国内需要は右肩下がりにある。そのような経営環境にあって、本組合は海外需要に活路を求め、各種補助金を活用しながら欧州及びアジア圏における販路拡大のための取り組みを続けてきた。その際、重要になってくるのが、受賞の有無である。酒類の販売においては、その酒が過去どのような賞を受賞してきたのかというストーリー性は、大きな魅力になる。今回講師を依頼する松瀬酒造株式会社は、国内最大の日本酒品評会の一つ「酒コンペティション2025」においてモダンナチュラル部門第3 位を獲得しており、その製造技術には組合青年部も高い関心を持っている。本県の酒造組合においては現在、愛媛県オリジナル品種の花「さくらひめ」から分離された酒蔵用花酵母の「愛媛さくらひめ酵母」を用いた「愛媛さくらひめシリーズ」を国内外に展開している。この手法等を深く学ぶことで、消費者への訴求力向上が期待でき、国内外の更なる販路拡大に繋げるために、本研修会を開催した。
〇会員の経営安定の寄与
仕入れコスト削減のために、組合員が取り扱う原料米の共同購買を行っている。また、組合直営アンテナショップ「蔵元屋」の経営を通じて、組合員製品の販売に努めている。そして、イベントを通じた販路拡大及び販促活動も行っている。国内においては10 月1 日に日本酒の日イベント「ほろよいフェスタ」を松山城で開催し、主に地元住民に対して県内蔵元製品のPR に努めている。海外においては「えひめ香る地酒ブランディング・プロモーション」を行う。既に欧州・台湾・シンガポール・マレーシアにおいて実施し、個社の商談成立に繋げており、本年度はアジア圏への足掛かりとして香港プロモーションを実施した。
〇新技術の開発や技術の普及の取組
組合員22蔵元が、愛媛産の米と水を使用して新製品「えひめ香る地酒 愛媛さくらひめシリーズ」を、独自製造している。令和4年度において産学官連携で、愛媛県オリジナル品種の花「さくらひめ」から4種類の清酒用花酵母「愛媛さくらひめ酵母」の分離培養に取り組み、これに成功。その清酒用花酵母「愛媛さくらひめ酵母」を使った製品を旗頭に国内外で販促活動を行い、着実な成果を上げている。
〇地域の農林水産業や他産業との連携、協力関係等について
上記「愛媛さくらひめ酵母」の開発には、愛媛県産業技術研究所(愛媛県食品産業技術センター)及び東京農業大学と連携して、取り組んだ。また、「えひめSake with Food」にて地域食材と組合員製品のマリアージュ審査を行い、その結果を公表している。
◆えひめSAKE with FOODとは
風光明媚な自然に恵まれた愛媛。その特徴を一言であらわすと「多様性」というキーワードが当てはまる。愛媛は、東洋の地中海と称される波穏やかな瀬戸内海と、黒潮が流れ込む宇和海という2 つの海に面し、西日本最高峰の石鎚山を頂きとする四国山地が東西に連なる。沿岸部には大小200 もの島が存在し、美しい多島美を楽しむことができる。人々はこうした自然環境を舞台に、地域に適した食材を育んできた。温州みかんや伊予柑など全国的にも有名な柑橘栽培、日本三大カルストの一つ四国カルストでは畜産が盛ん、リアス式海岸が続く宇和海は、真鯛をはじめとした日本有数の魚類養殖の産地で、近年では高級魚スマを伊予の媛貴海として生産・流通している。そして、食文化と切っても切り離せないのが、日本酒の存在である。現在、愛媛県酒造協同組合は34の蔵元から構成しており、伊方杜氏や越智杜氏という優れた杜氏集団を輩出するなど、愛媛は酒どころとして知られている。そこで、優れた食材とそれに合う愛媛の酒を選定し、そのマリアージュを多くの方に楽しんでいただこうと、えひめSAKE with FOODを実施している。
また、コロナ禍おいては、組合が高濃度エタノールの製造を担った。令和2年1月に新型コロナウイルスへの国内最初の感染が確認され、愛媛県においてもその対策には混乱を伴った。取り分け、県内全域で消毒用アルコールが不足する深刻な事態に陥り、その解決に向けて、知事から本組合理事長へ「高濃度エタノールの製造」について直接電話依頼が舞い込み、組合は即それを受けた。四国財務局と連携し、製造許可を得た上で、高濃度エタノールの製造に着手した。組合員は既存の製造ラインを停止させ、高濃度エタノールの製造に注力し、病院・学校・介護施設・行政等、対コロナの最前線に当たる部署への消毒用高濃度エタノールを供給した。その働きは後に評価され、(一社)愛媛県医師会から感謝状が授与された。
〇その他展示会等事業
愛媛県物産協会・全農の頒布会「夏の手土産・年末年始家呑みフェア」、日本酒造組合中央会主催の「日本酒フェア」、愛媛県主催の「食の市」に参加し、販促及びPR に努めている。また、ふるさと返礼金への参加、せとうち旬菜館(東京)での販売、愛媛大学地域文化研修会が主催する「学生DELI 酒プロジェクトIN 愛媛」の後援等、他団体との連携にも力を入れている。各蔵元の醸造技術の向上を目的に、新酒の出来栄えを競う「新酒品評会」を開催している。愛媛県内の醸造蔵が製造した大吟醸酒(含む純米大吟醸酒)及び愛媛県初酒造好適米「しずく媛」で醸した清酒(新種)の出来栄えを、高松国税局主任鑑定官をはじめとした有識者及び醸造関係者により審査。併せて「きき酒競技会」も開催している。





