受賞者一覧
令和7年度/第47回受賞者
食品産業部門(経営革新タイプ)(2025)
農林水産省大臣官房長賞
中島 修治
所属:福留ハム株式会社(相談役) 日本ハム・ソーセージ工業協同組合(理事)
所在地:広島県広島市
業種:食肉・食肉製品等の製造・加工・販売業
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【功績申請の概要】
- 「広島市豪雨土砂災害」による一時的な生産停止を経験し、生産計画の安定化を図るためには、早急に生産拠点を分散する必要があると確信し、新工場建設の構想の練り上げを主導し、各工程が連続的に配置されることで、工程間の調整に要していた労力、製品の移動時間や待機時間を削減するなど、生産計画の安定化と生産性向上に尽力した。
- 先人たちが長年の製造経験を通して培ってきた知見と加工技術の高さを証明するため、ドイツ農業協会主催の国際食品品質競技会「DLG」に挑戦することを決め、これまでにハム・ソーセージ部門で127個の金メダルを受賞するなど、高品質の商品としてのブランド力向上に尽力した。
●功績申請の具体的内容
〇生産計画の安定化と生産性向上への不断の取組み
平成26年8月の「広島市豪雨土砂災害」による一時的な生産停止を経験し、生産計画の安定化を図るためには、早急に生産拠点を分散する必要があると確信し、新工場建設の構想の練り上げを主導し令和元年5月に岡山昴工場を稼働させた。
また、同工場にコンピュータ管理による高精度な自動充填システム、自動燻煙冷却システムのスモークハウス、高速自動計量コンピュータスケール、ドラムカッター自動投入装置など、省人化に繋がる最新設備を導入するとともに、原料入荷から製造、梱包、出荷まで50mのストレートな製造ラインを敷き、各工程が連続的に配置されることで、工程間の調整に要していた労力、製品の移動時間や待機時間を削減するなど、生産計画の安定化と生産性向上に不断に取り組んでいる。
〇国際食品品質競技会(DLG)への挑戦とブランド力向上の取組み
先人たちが長年の製造経験を通して培ってきた知見と加工技術の高さを証明するため、1世紀以上の歴史を誇る由緒あるドイツ農業協会主催の国際食品品質競技会「DLG」に挑戦することを決めた。
初挑戦となった平成17年は出品した5品すべてが金メダルを受賞し、その後も氏はDLGへの出品を続け、令和7年までにハム・ソーセージ部門で127個の金メダルを受賞するなど、長年の技術と経験に裏付けられた高品質の商品としてのブランド力向上に尽力してきた。
〇環境・安全に配慮した事業活動の推進
今後のグローバル市場での信頼と持続可能な成長を支える事業基盤の構築を目指す上で、自社の事業活動や商品が環境に及ぼす影響を考慮し管理することの重要性を唱え、平成18年3月に環境保全を目的とした国際規格である「ISO14001」認証を取得した。
お客様第一に安全・安心な製品を提供することを経営方針に掲げ、各工場に「食品安全委員会」を設置するなど、食品の安全性確保への取組みに尽力してきた。平成9年にHACCP手法に基づく「総合衛生管理製造過程」の認証を受けたが、氏は、さらに高度な食品安全管理体制にする必要があると確信し、「ISO22000(食品安全マネジメントシステム)」認証の取得に向けた取組みを主導し、令和4年2月に同認証を取得した。
〇認知度向上とコラボ商品開発の取組み
昨今の消費者の情報収集は視覚中心の時代へと変化し、写真は訴求力が高く記憶に残りやすいとの思いから、ユーザー参加型のフォトコンテストの企画・立案を主導し、「笑顔満開花ソーセージフォトコンテスト」、「わたしの花ソーセージレシピフォトコンテスト」を実施するなど、自社ブランド「花ソーセージ」の認知度向上に取り組んだ。
花見シーズン限定の販売方法に着目し、「花ソーセージ」と地元の銘菓である紅葉堂「揚げもみじ」のコラボ商品「花もみじ」を令和6年に発表した。同商品は春の期間限定商品として大好評を得ており、消費者に季節感と希少性を感じさせる新たな販売戦略として確立した。これらによる「花ソーセージ」の販売実績は、令和2年度から令和6年度にかけて12%増加し、新型コロナ禍の厳しい経済状況を乗り越えて同社の看板商品に成長した。
〇グリーンコープ生活協同組合連合会との共創の取組み
グリーンコープ生活協同組合連合会(GC)が掲げる「子どもたちが健やかに成長できるように、家族が健康で安心して暮らしていけるように、安心・安全な食べものを生産者と一緒につくる」の基本理念に感銘を受け、GCとともに新たな価値を創造したPB商品の開発に取り組んでいる。
具体的には、有機農業の町として知られる宮崎県綾町で、40年以上にわたり安心・安全な豚を育てることに情熱を注いでいる生産者「綾豚会(りょうとんかい)」が、非遺伝子組み換え(Non-GMO)原料のみの配合飼料を与えて育てた「綾町産直豚」のハム・ソーセージを開発するなど、地域経済の活性化に大きく貢献している。
〇食品添加物に頼らない独自製法による商品開発の取組み
将来を担う子供たちの健やかな「未来」の命をつくる贈り物として、自然のめぐみから得られる素材にこだわった。国産豚肉を選ぶ際は、鮮度、色、ツヤ、肉質、脂の状態を重視、ドリップの有無にも着目、「塩」は長崎県の海水を平窯で煮詰めて炊き上げた「海水塩」を使用、食品添加物を全く使用しない糖質ゼロ商品の開発を推進、約3年におよぶ研究開発期間をかけて食品添加物に全く頼らない独自製法を開発し、福留ハムとして初めて「塩」だけで作った高付加価値のハム・ベーコン・ソーセージ“MIRAI(ミライ)シリーズ”というブランドを令和7年2月に登場させた。
〇心の教育を重視した人材育成及び次世代育成支援の取組み
「ものづくりは、人づくり」の信念のもと、美味しい製品を作るためには知識や技術だけでなく、周囲を思いやる気持ちや広い視野を持った社員が不可欠であり、そのための人材育成の必要性を説くなど、社員一人ひとりの人間性を重視した企業経営に取り組んでいる。
「福留人材育成経営塾」を開設し、自ら塾長として心の教育を重視した研修会や勉強会を開催し、相手の立場に立った視点からの会話、接遇、電話応対、報連相など具体的な指導を行うなど、社員同士が互いを尊重し、チームワーク良く、ハラスメントのない安心して働ける職場環境の実現に尽力している。
さらに、令和3年6月に「昴ESG憲章」を策定・公表し、持続可能な企業経営を実現すべく環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)の強化に取り組むとともに、次世代育成支援の一環として、多様な働き方に対応できるよう、「オープンカンパニー」や「1dayインターンシップ」なども実施している。





