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受賞者一覧

平成29年度/第39回受賞者

食品産業部門<農商工連携推進タイプ>(2017)
農林水産省食料産業局長賞

有限会社 ヤマチュウ食品

代表取締役社長:宇苗 良
所在地:北海道 函館市
業種:水産加工製造
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【功績申請の概要】

  • 昭和53年の日本海中部地震と平成5年の北海道南西沖地震で壊滅的な打撃を受けた奥尻島の経済復興に貢献するために、当初は粒ウニ加工会社として設立された。
  • 添加物を極力使わず素材を活かした食品造りを強みとして、閉鎖された漁業組合の加工場を買い取り商品開発を進め、現在ではパートを含む31名の従業員に雇用の場を提供している。
  • 平成27年度北海道加工食品コンクール最優秀賞を受賞した「昆布〆あわび入り粒うに」は、道南地域産のアワビとウニのみを用いた高付加価値商品であり、道南地域において2000件以上の得意先を確保している。
  • また、水産資源における地域優位性を十分に活かした、乾燥あるいは生鮮珍味や海藻加工品の開発などの商品づくりにも取り組み、着実に販路を広げている。

【功績申請の具体的内容】

【農商工連携の推進】

  • ウニ、ホッケ、タコ、ワカメは、100%道内産である。2017年の原料ウニの仕入れ金額は、1700万円である。また、2016年の原料イカの仕入れ金額は約1億円であり、国産比率は約95%となっている。
  • 生産者ヘの技術指導等、農業への支援
    技術指導は、月2回程度実施している、具体的には、奥尻・大成町の漁業者に対して、ウニに関する塩分・水温・水切保管の仕方、ホッケに関する魚の油の状態・裁断・乾燥の具合、ワカメに関するボイルの温度・色合・塩分・水切りの仕方を、現場でチェックしながらアドバイスしている。さらには原価計算の指導まで行っている。
  • 国産農産物を利用した新商品開発
    ウニは7月~8月の一番身入りの良い時期に水揚げをし、採れたての原料を加工して素材本来の味を楽しめるような造り方をしている。他の商品(ホッケ、わかめ)も一番品質の良い時期に収穫することを原則としている。高付加価値商品は単に原料の収穫時期にこだわるだけでは製造できず、収穫後の水温、塩分、乾燥等々、収穫後の原料調整にまで細かなノウハウが必要となる。原料の品質と製造ノウハウによって、他社が追随できない添加物を極力使わない素材を活かした商品造りが可能となっている。
  • 販売促進
    2016年には通販サイトをオープンし、消費者へ直接販売する販路を広げた。
    2017年には、経済産業省、函館特産組合等が講演するインフォメーションバザールinTOKYOに出展した。これは会社の宣伝もあるが、原産地の知名度を上げることを目的にしている。

【地域農業との連携、地域活動等】

  • 地域社会との連携
    昆布、ワカメについては5年ほど前から道南産に切り替えた。又、奥尻島の漁業(船主)とは、話し合いのうえで、水揚げの全量仕入をしている。
    さらに漁業組合で使用していない加工場を買い取り、その地域で採れるイカ、ウニ、ワカメ等を加工し、年配の方が少しでも多く働ける場所を提供できるよう努力している。
    地域の卸業者には、約17年間継続して販売して頂いている。
    工場見学は月に何名も受け入れている。
  • 地域の農協、漁協、地方食品産業協議会等との協力状況貢献
    社長自ら道南・奥尻に赴いて直接イカやウニの加工技術を指導することで、良好な協力関係を構築している。そして素材を活かしたその土地の商品企画の提案、商品のアピールも継続している。又、海藻等については、工業技術センターとも連携している。また、北海道大学の教授ともセンターを通して協力関係を築けている。
    また、産地に2か所ある直売店では、このような商品を地域の方々に、原価に近い値段でお買い求めいただいている。
  • 地域の雇用先としての貢献
    自社雇用は34名にすぎないが、原料を購入している漁業者、加工業者を含めると結構な人数なる。これまで道南の昆布、キノコは乾燥原料で流通されていたが、昨年より工場を新設し、ダシ・ドレッシングの製造を開始した。この結果、若い人達に興味をひき、5名が入社した。今後はさらに商品開発に力を入れ、もっと多くの方に働いてもらえるように、道南の昆布、野菜等地域産品を製造販売を拡大する計画である。

【原料原産地表示の取組等】

北海道知事賞を頂いた粒ウニやワカメ、ホッケ等、商品には必ず外箱やシールに産地を記載して販売している。