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受賞者一覧

令和5年度/第45回受賞者

食品産業部門<経営革新タイプ>[個人](2023)
農林水産大臣賞

金澤 俊司

所属:銀河フーズ株式会社(代表取締役社長)
所在地:岩手県花巻市
業種:食肉製品の製造・加工・販売業

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【功績申請の概要】

  •  健康志向に応えた「減塩シリーズ」の商品拡充、業界に先駆けて「糖質ゼロ」を組み合わせた「30%減塩&糖質ゼロ」シリーズ発売。国立循環器病研究センターが推奨する「かるしお認定」を取得し、同認定マークの商品を業界で初めて発売。食品産業新聞社「第48回食品産業技術功労賞(地方発部門)」を受賞。
  • 氏は、SDGsの趣旨に賛同し、全従業員と持続可能な社会の実現に向けて取り組むとともに、コープフードバンクへのサポーター登録や、従業員の健康維持・増進に尽力し、「岩手健康経営事業所」の認定を受けた。
  • 高品質ハム・ソーセージを開発し続けることが地域経済の発展に寄与するとし、地元岩手県産豚肉を使用した「銀河工房シリーズ」を開発。ドイツ農業協会(DLG)主催の国際品質協議会で31品目が金賞を受賞。日本食糧新聞社「第6回地域食品産業貢献賞」を受賞。
  • 食品衛生管理に関する知見に基づき、東北支部組合員の中小メーカーを指導するなど、食肉加工業界における衛生管理向上に先駆的役割を果たした。また、「食肉加工品輸出協議会」でも指導的役割を果たしている。

●功績申請の具体的内容

(経営近代化・合理化、生産性の改善向上等)

○新たな事業活動の展開による経営の向上

氏は、SDGsの17目標を「銀河フーズ版 3つのP」(People(人間)、Prosperity(豊かさ)、Planet(地球))の事業活動に分類し、活動内容を具体的に決めるなど、全従業員と持続可能な社会の実現に取り組んでいる。

・People(人間):コープフードバンクの活動に賛同し、コープ東北サンネット事業連合のサポーターとして子どもたちの健やかな成長を支援するとともに、健康長寿社会の実現に向けて減塩商品の販売促進、社内「減塩の日」、社員食堂での減塩メニュー導入など、従業員の健康維持・増進に尽力し、この取組で岩手県知事から「岩手健康経営事業所」の認定を受けた。

 ・Prosperity(豊かさ):工場近くの河川清掃活動や、食育活動としての自社HPでの「バーチャル工場見学」サイト立ち上げなど、ハム・ソーセージの普及啓蒙活動に尽力している。

・Planet(地球):省エネ機器や包材等の導入推進、従業員ホールに「SDGs推進委員会」の専用掲示板の新設による情報共有化、従業員の給与明細に SDGsの活動内容を掲載するなどの先駆的な取組を実施。

○設備導入、工程見直し等による生産性の向上

氏は、環境負荷低減の取組みのために「環境委員会」を設置し、社会貢献と環境配慮を基本理念とした「行動指針」に具体的目標を掲げて取り組んでいる。生産工程の省エネルギー推進では前年対比△1.0%(毎月)の目標を掲げ、ボイラー導入では省エネタイプを選定しエネルギー使用効率の向上を図っている。電力使用量の抑制では、照明のLED化、人感センサー導入などに取り組んでいる。生産工程での廃棄物削減でも前年対比△1.0%(毎月)の数値目標を掲げ、環境負荷低減と生産性向上に向けて指導的役割を果たしてきている。

○市場開拓、販売拡大の取組

氏は、銀河フーズ㈱代表取締役社長就任後、食を通じた健康への貢献の観点から、東北地方は塩分摂取量が多い状況に鑑み、「減塩シリーズ」の商品拡充に取り組んだ。また、糖質摂取を控える消費者の健康志向に応え、業界に先駆けて「糖質ゼロ」を組み合わせた商品開発にも着手し、「30%減塩&糖質ゼロ」シリーズを発売。同シリーズの令和4年度売上高は元年度比で30%超の伸びを示している。また、国立循環器病研究センターが推奨する「かるしお認定」を取得し、同認定マークの商品をハム・ソーセージ業界で初めて発売するなど、先駆的な商品ブランド確立と業績向上に貢献。この取組は、食品産業新聞社より「第48回食品産業技術功労賞(地方発部門)」を受賞している。また、「平成21年度農林水産物等輸出促進支援事業(農林漁業者等マッチング支援緊急対策)」に参加し、現地商談会への出展など、海外市場開拓へ精力的に取り組んできた。

○独自の製造方法及び技術研究開発の推進・充実

氏は、地元岩手県花巻市を拠点に世界で通用する高品質製品を開発し続けることが地域経済の発展に寄与するとし、岩手県産豚肉を使用した「銀河工房シリーズ」の高品質ハム・ソーセージを開発するとともに、ドイツ農業協会(DLG)が主催する国際品質協議会へ積極的に出品し、これまで31品目のハム・ソーセージが金賞を受賞。こうした取組により、日本食糧新聞社より「第6回地域食品産業貢献賞」を受賞している。

○労働環境改善、福利厚生の取組

氏は、従業員が働きやすく、やる気のでる職場づくりため、従業員が「子育て」や「親等の介護」を行う場合のフレキシブルな勤務体制の導入や有給休暇の積極的取得を推進。また、外国人従業員の採用では、性格、意欲、適性、生活習慣の違いなどの把握に努め、相談窓口を設置してサポートを行うなど、労働環境の改善を図っている。さらに、従業員一人ひとりの能力・意欲に基づいた適材適所の人材活用を通じて、一人ひとりが活躍できる職場づくりを推進している。

○従業員の資質の向上のための取組

氏は、「お客様に感謝の心を持ちます」、「お客様に安全・安心をおいしさに込めて食卓へお届けいたします」の企業理念を掲げ従業員教育を実施。新入社員には業界団体が主催するHACCP講習会を受講させるなど、徹底した衛生管理教育に取り組んでいる。

(外部との連携)

○食品安全の向上のため、「総合衛生管理製造過程」認証を取得した。その知見に基づき、東北支部の中小メーカーを指導するなど、食肉加工業界における衛生管理向上の先駆的役割を果たし貢献した。さらに、食品安全国際規格「FSSC22000」認証を取得し、より高度な世界最高水準の安全性を不断に追求している。

○倫理的な企業活動の推進では、より高い倫理感と社会からの信頼を得るため、「行動憲章」を改訂するとともに、労働者の基本的人権の尊重と倫理的な企業活動の推進に尽力している。

(業界(団体)や社会への貢献)

○日本ハム・ソーセージ工業協同組合の理事及び東北支部長として、公平・公正な支部運営に努め、昨今の原材料価格やエネルギーコスト上昇への対応等など支部組合員との情報共有に努めている。また、ハム・ソーセージ類公正取引協議会の理事及び表示検討委員会の委員として、原料原産地表示への対応に取り組んだ。

○日本ハム・ソーセージ工業協同組合が事務局を担う「食肉加工品輸出協議会」に設立当初から加入し、「食肉加工品統一ロゴマーク」作成や輸出先国での商標登録の必要性に関し指導的役割を果たし、令和5年度には同協議会の副会長に就任。輸出促進活動に積極的に取り組んでいる。