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受賞者一覧

令和4年度/第44回受賞者

マイスター部門(2022)
(一財)食品産業センター会長賞

藤田 良穂

所属:とうふや孫兵衛
所在地:富山県高岡市
業種:豆腐製造販売業

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【功績申請の概要】

  • とうふ屋孫兵衛の5代目として伝統的製法を受け継いでいる。天然にがりを使用して豆乳を凝固させて滑らかな豆腐にするには、にがりを打つタイミングと撹拌方法が重要である。包丁一本でその角度や撹拌速度を的確にコントロールし凝固させることにより、天然にがりの甘味、風味を活かした滑らかでしっかりとした絹ごし豆腐を製造する技術は、現在使用されている機械や機器による大量生産では製造できない優れた伝統的技術であり、この技術を保有して製造を行っている者は他にいない。
  • 富山県産大豆「エンレイ」を用いた、絹ごし豆腐「越のにがり豆腐」と油揚げ「浜塩にがり油揚げ」は、塩田にがり特有の美味しさを感じられ、富山県の代表的な特産品として富山県地域特産品認証を受けるとともに、富山県食品産業協会の地域食品評価会においても高い評価を得ている。また、高岡市の戸出地区では、伝統的なふるさとの味として評価されており、地域住民から愛されている。
  • 富山県豆富商工組合において高岡支部長、監事を務めるなど、同業界でのアドバイザー的役割を務め、若手組合員による勉強会等では、指導的立場で他の組合員を指導している。

(経歴、人格、見識)

〇食品の製造・加工等における従事年数は40年以上。

〇富山県豆富商工組合において高岡支部長、理事、監事を務めるなど、同業界の指導的立場にある。また、人望が厚く、自ら習得している伝統技術を積極的に組合員に指導している。

(専門性)

〇とうふ屋孫兵衛の5代目である藤田良穂氏の富山県産大豆、能登の揚浜の塩田のにがりを使用した絹ごし豆腐の製造技術は、先代からの伝統的製法を受け継ぎ46年の経験が活きた技能である。天然にがりを使用して豆乳を凝固させて滑らかな豆腐にするには、にがりを打つタイミングと撹拌方法が重要である。現場で豆乳の性質を迅速に判断し、包丁一本でその角度や撹拌速度を的確にコントロールし凝固させることにより、滑らかでしっかりとした絹ごし豆腐を製造する技術は、現在使用されている機械や機器による大量生産では製造できない優れた伝統的技術である。

(技術・技能の評価)

〇技術・技能の客観的な評価

 売上高は、1,200万円程度である。中でも、富山県産大豆「エンレイ」を用いた、絹ごし豆腐「越のにがり豆腐」と油揚げ「浜塩にがり油揚げ」は、塩田にがり特有の美味しさを感じられ、富山県の代表的な特産品として富山県地域特産品認証を受け、富山県食品産業協会の地域食品評価会においても一般評価者から高い評価を得ている。また、豆腐作りの技能において高岡市技能功労賞を受賞し、その技能は地域でも高く評価されている。

〇保有技術・技能の希少性

 豆腐製造が機械化され、大量生産されている現在、能登の塩田で作られる天然にがりを使用して、包丁1本を巧みにコントロールして凝固撹拌を行い、天然にがりの甘味、風味を活かした滑らかな舌触りの絹ごし豆腐を作る技術を保有して製造を行っているものは他にいない。

(公開・普及状況)

〇富山県産大豆「エンレイ」を用いた、絹ごし豆腐「越のにがり豆腐」と油揚げ「浜塩にがり油揚げ」は、富山県地域特産品認証を受けているだけでなく、富山県食品産業協会の地域食品評価会においても高い評価を得ている。

(し界の発展への寄与)

〇し界等への貢献

 富山県豆富商工組合において高岡支部長、監事を務めるなど、同業界でのアドバイザー的役割を務め、若手組合員による勉強会等では、指導的立場で他の組合員を指導している。

〇業界や地域との情報交流等広域的な活動

 地区の小学校において、工場見学会や豆腐作り教室を開催し、豆腐作りを通して、富山県産大豆の良さや伝統産業としての豆腐作りをPRしている。また、豆腐の美味しさや安全性を伝えるため、料理講習会やトークショーに講師、パネラーとして積極的に参加している。

(技術・技能の社会への貢献)

〇高岡市の戸出地区では、伝統的なふるさとの味として評価されており、地域住民から愛されている。地区の学校給食などに豆腐を納入するだけでなく、地区の小学校において工場見学会や豆腐作り教室を開催し、伝統産業としての豆腐作りを教えるなど、地域社会に大きく貢献している。