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受賞者一覧

令和2年度/第42回受賞者

食品産業部門<農商工連携推進タイプ>(2020)
農林水産大臣賞

株式会社半澤鶏卵

代表取締役社長: 半澤清彦
所在地:山形県天童市
業種:鶏卵全般、鶏卵加工製造業
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【功績申請の概要】

  • 山形県内の養鶏業に関わる業者数が減少傾向にある中、廃業養鶏業者の施設や従業員確保支援を行うとともに、養鶏農家の経営安定のために鶏卵需要に合わせた供給と買い取り支援に貢献するための体制を構築している。
  • 養鶏業者として持続可能な6次産業化を構築するために、「安全・安定・価値のある」鶏卵生産体制を目指し、鶏卵鶏肉を使用した加工品製造・生産品の販売拠点の確立を柱にした経営体制づくりを推進している。
  • 農商工連携事業や畜産クラスター事業を通じて他業種企業との連携を図り、自社製品と連携企業の収益向上を目指すことや機能性鶏卵のエビデンスづくりに重点を置いた研究・開発事業に注力することで付加価値のある鶏卵商品の創出への取組みを行っている。

(農商工連携の推進)

○鶏卵仕入

・昭和35年の個人創業以来、一貫して鶏卵生産・販売に携わり、国内シェアで生産されているわずか4%の純国産鶏種に拘ることを基本方針としており、生産・販売している純国産鶏種卵は令和元年度で100%に達している。この基本方針とともに相場に左右される養鶏経営からの脱却と県内養鶏業者との繋がりを強化するために、他社仕入割合を抑制し自社鶏卵生産を少しずつ拡大させている。また、県内養鶏業者からの依頼もあり、廃業施設の受け入れ・整備を行い、機能性研究による付加価値を付けることで単価の高い鶏卵創出に注力し、収益性の向上を図る取組を行っている。

○生産者ヘの技術指導等、農業への支援

・平成28年に実施した「畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業(施設整備事業)」により、堆肥舎1棟の設置を行った。この堆肥舎からは年間480トンの堆肥が生産され、全体の46%を占めていることになり、養鶏施設コストの低減を図ることができた。また、この堆肥を地域農業者へ還元するため、希望する農家には低価格で提供している。

○国産農産物を利用した新商品開発

・平成18年の販売以来ヒット商品となった「スモッち」が当社の看板商品としてロングセラーを記録している。さくらとサクランボの木で1週間かけてじっくり手間暇かけて燻製。燻製液を使わずに国際特許の燻製機を使用しているため、中までスモークの薫りが浸透した逸品。また、姉妹商品として、燻製の苦手な人用に塩茹でたまごや純国産鶏種「もみじ」の中でも特に厳選した卵だけを使用した「スモッちGOLD」の新商品開発を行った。

○販売促進

・当社の拘りの純国産鶏種卵の販売を行う拠点として、また、養鶏業者のお菓子屋さんを目指して加工品の製造・販売を行う施設「いではCOCCO」を平成30年にオープンした。農場直送の生卵の他に、ファクトリー工場として併設している「スモッち」や県内食品製造業者との連携開発商品の販売・ランチ時間帯は卵を使用した食事メニューの提供を実施している。また、毎週土・日・祝日には店内スペースや屋外駐車場を利用した手数料無料のマルシェを開催している。

・積極的な商品開発と販売のための展示会や商談会へ参加している。県内では養鶏業を営む企業が加工品開発をしている事例はそれほど多くないことや「スモッち」に代表されるヒット商品を持っていることが強みとなり、商談会では成約率が高い。

・国内での展示会や商談会において純国産鶏種卵や加工品の普及拡大に努めた結果、海外展開のための商談会参加に恵まれ、平成31年1月、2月の2度に渡り香港での商談会が実現した。結果2社との成約が整い、チキンジャーキー・ソーセージ・スモッちを輸出することができた。

 

(地域農業との連携、地域活動等)

○地域社会との連携

 ・養鶏ノウハウの深化による産卵率のアップやブランド卵の創出による養鶏事業の安定化を進め、その鶏卵や鶏肉を使用した加工品の開発と販売促進によって農業者としての6次化産業の持続可能性を求めていくことに注力している。

○地域の農協、漁協、地方食品産業協議会等との協力

・やまがた食産業クラスター協議会とは、株式会社日本アクセス(本社東京都)の商談会展示会への出品依頼(スモッち)や「おいしい山形・食材王国みやぎ合同商談会」への参加要請とサポートをしていただいた。また、(公財)やまがた農業支援センターからは経営相談のための専門家派遣をしていただき、食品のこだわりがあるお客様に対するPR方法や卵のブランディングについて相談、6次産業化中央サポートより専門家を派遣してもらい、首都圏のプロモーションについてPRサイトに掲載して頂くなどの販促面での解決効果を得ることができた。

○地域の雇用先としての貢献

《養鶏業からの要請による従業員確保》

 県内村山地域の養鶏場で後継者不在や高齢化による廃業を余儀なくされる施設からの施設買取や従業員の継続雇用を依頼されることが多く、平成30年に河北農場、令和元年には村山農場と東根大森農場を買取、希望する7名の従業員を採用した。通常雇用としては、養鶏場の増加や販売拠点の設置等もあり、過去3年間で24名の従業員を採用している。社全体の平均年齢は45歳・男性より女性の方が多いのが特徴。女性が多いため、「働きやすい職場環境づくり」には注力しており、年代や生活スタイル・家庭の事情などに応じて働きやすい環境(勤務時間など)づくりを心掛けている。定年制と再雇用制度については、定年65歳を就業規則に謳っており、60歳以上雇用者は6名在籍している。また、再雇用についても平成28年に就業規則を改正し、再雇用しやすい環境づくりに努めており、70歳の最高年齢者も元気に働いている。

(食品表示法への対応)

・原産地表示については、鶏卵及び加工品の全てにおいて表示義務を遂行しており、また、厚生労働省からボツリヌス菌対策の一環として推奨されていることもあり、「要冷蔵」表示も行っている。さらに、本社及び河北養鶏場に併設しているGPセンターのサルモネラ検査を定期的に実施している他、鶏卵商品に対する外部専門業者による品質検査の実施も行っている。また、より高い安全性と信頼性を獲得するための取組みとして、「農場HACCP」の取得実現を目指し、家畜衛生保健所(山形市)の指導を受けながら、毎月外部講師を招いて研修を実施しており、令和3年3月の取得を目指している。この農場HACCP認証は、本年4月1日現在、全国でも25施設しかなく、認証されれば山形県内で2番目の取得となる。