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受賞者一覧

令和2年度/第42回受賞者

食品産業部門<農商工連携推進タイプ>(2020)
農林水産大臣賞

マルハニチロ株式会社

代表取締役社長: 池見 賢
所在地:東京都江東区
業種:漁業、養殖、水産物の輸出入
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【功績申請の概要】

  • 事業を通じた社会貢献活動を実施することにより、地域社会との共存・共栄をめざしており、「食育活動」、「環境活動」、「地域貢献活動」を実施している。
  • 冷凍米飯に使用する国産米に関してJA全農と安定供給を目的とし、複数年契約の取り組みを行っている。複数年契約をすることで生産者が中長期的に加工用米に取り組むことができ、生産者も安定した収入を長期にわたって見通すことができる。生産者の営農を食品加工業の立場から支援することで、持続可能な水田農業への貢献をしている。
  • 産地との関係づくりのため、2017年より例年12月に定期的に意見交換を実施している。産地に対し、冷凍米飯の市場動向や国産加工用米の銘柄ごとの加工適正についてフィードバックすることで、量的、質的に需要に応じた生産の更なる達成ができるよう努めている。

(農商工連携の推進)

○大江工場国産米使用量に関して2008年は約3,000tに対して2019年は187%増の5,600tの使用となっており、年々増加傾向にある。2016年より高品質の商品を提供するために、大江工場に高火力で炒飯を炒めることができる設備を追加で導入したことにより、品質と供給力を向上させている。またJA全農から契約している数量に関しては2008年産米に関しては800t程度の契約数量だったが、2019年産米に関しては4,400t程 度まで契約数量は増加している。

○国産加工用米の安定取引を目的として、複数年契約の取組を行っている。2018年産からJA秋田ふるさと及びJA全農と複数年契約(2018年産~2020年産)の取組を開始した。安定的な取引をすることを目的として、米価の変動リスクに備え、未来年産の購買価格にはアローワンスを設定することとした購買条件を設定した。

○2020年1月から3月にかけて、農林水産省で「米取引の事前契約研究会」が開催され、需要に応じた米の生産をする上では、豊凶変動や価格変動リスクに対応しつつ、事前に販売先や販売数量等を見通すことができる事前契約(複数年契約含む)の拡大が重要であるとした議論がなされた。これを受け、複数年契約の更なる拡大に向け、JA秋田ふるさと及びJA全農との複数年契約の延長(~2021年産まで延長)を実施するとともに、JA庄内たがわ及びJA全農との複数年契約(~2022年産)を開始した。2020年現在では、当社の国産加工用米の全農契約分に対し、複数年契約の割合が46%(前年対比139%)となっている。複数年契約に取り組むことにより、生産者の方々が中長期的に加工用米に取り組むことができ、生産者の方々も安定した収入を長期にわたって見通すことができるようになる。生産者の方々の営農を食品加工業の立場から支援することで、持続可能な水田農業への貢献をしている。

○100%国内産の米を使用した冷凍米飯類の開発を積極的に行い、2007年に生産が始まり現在米飯事業の主軸となっている「あおり炒めの焼豚炒飯」、2000年に一世を風靡した「神戸名物そばめし」のリニューアルも重ねられて、現在も生産が行われている。2016年にはより高火力にこだわった「炒飯の極み【えび五目XO醤】」を発売し、あおり炒めの焼豚炒飯に続く、市販用本格炒飯として現在も販売中。業務用炒飯製品で代表的なものとして、高火力で炒めた香火力あおり炒め炒飯、とんこつベースのラーメン屋さんの炒飯がある。2019年にお皿のいらない「スタンディングパッケージ」を使用した新商品WILDishシリーズの冷凍米飯の生産を開始した。

○冷凍米飯類の需要拡大に向けて、毎期、テレビコマーシャル、クローズドキャンペーン、期間限定増量キャンペーンなど、各種の広宣販促を展開している。2019年度は新商品のWILDishシリーズを軸として、特に20代30代の購買意欲増進を狙った施策を展開した。

 

(地域農業との連携、地域活動等)

○地域社会との連携

 産地との関係づくりのため、2017年より例年12月に定期的に意見交換を実施している。産地に対し、冷凍米飯の市場動向や国産加工用米の銘柄ごとの加工適正についてフィードバックすることで、量的には勿論のこと、質的にも需要に応じた生産の更なる達成ができるよう努めている。また、2019年8月には、JA秋田ふるさと女性部を大江工場へ招き、工場見学会を実施した。また、大江工場では地域活性化を目的に、2015年より毎年地元大江町の秋祭りに参加して店を出店しています。地元でカットされた野菜を使って焼そばを提供することで日ごろの感謝を形にして、その売り上げを大江町に全額寄付している。

○地域の農協、漁協、地方食品産業協議会等との協力状況貢献

 JA秋田ふるさとと協力し、国産加工用米として多収穫米の使用を検討しており、現在、サンプル試験を実施している。生産者が多収穫米を生産することで、生産者手取りの向上が図れる。また、この他、冷凍米飯に適した品種の模索も同時並行的に進めており、長らくプロダクトアウトと言われてきた水田農業において、マーケットインの概念を持ち込む取組みにも挑戦している。

○地域の雇用先としての貢献

大江工場での生産増加に伴い、雇用に関しても年々増加している。全国勤務社員は別として地域の雇用先として2008年4月と比較して現在2019年4月の増加率は164%(185人雇用増加)となっている。地域の雇用先としても大きく貢献している。

 

(食品表示法への対応)

原料原産地表示に関して国産米を使用している弊社米飯商品にはすべて一括表示に国産表示がされている。具体的な表記としては米(国産)と表記している。