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受賞者一覧

令和2年度/第42回受賞者

CSR部門(2020)
農林水産大臣賞

日清食品ホールディングス株式会社

代表取締役社長・CEO:安藤宏基
所在地:東京都 新宿区
業種:食料品製造業
> 公式ホームページ

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【功績申請の概要】

  • 創業50周年を迎えた2008年から「百福士プロジェクト」を実施している。50年間に100の「未来のためにできること」を実現していく社会貢献活動で、5つのテーマ「創造」「食」「地球」「健康」「子どもたち」を掲げている。現在までに26のプロジェクトを完了し、2019年度は防災備蓄やプラスチック廃棄問題を社内外に啓発する活動を実施した。
  • 持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指し、環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE2030」を2020年4月に策定した。2030年度に向けた数値目標を設定し、資源と気候変動の2つを柱として、現在種々の取り組みを進めている。
  • 「日清食品グループ人権方針」を策定し、社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」の傘下 に「人権ワーキンググループ」を設置し、人権尊重に関する施策を講じている。

(消費者対応)

○社内における消費者対応体制

・日清食品ホールディングスのカスタマー・コミュニケーション・センター(CCC)では、日清食品グループ6社(日清食品、明星食品、日清食品チルド、日清食品冷凍、日清シスコ、日清ヨーク)に寄せられたお客さまの声を、収集・分析し、経営層および関連部署に速やかに状況を共有している。

・お客さまの声はグループのクラウド型お客さま対応システム「VOICE」に集約しており、その情報を各社・各部門の社員が検索し、サービスの改善に生かしている。また、CCCでは日清食品、日清食品チルド、日清食品冷凍のマーケティング部をはじめ、生産部、資材部、研究所を対象に「VOC(Voice Of Customer)会議」を毎月実施。お客さまの声を分類ごとに整理しメンバー間で共有し、該当部門に改善提案をするとともに、その改善状況を確認している。

・窓口に寄せられたご指摘に対して、調査結果報告書をお客さまにお送りする際に「お客さまアンケート」を同封している。質問の中には、お客さま窓口担当者の対応に対する満足度に関するものもあり、収集した回答を指標としてお客さま対応の品質向上に努めている。

・CCCの担当者は、明星食品、日清シスコ、日清ヨーク各社で開催されているお客さま対応の品質向上に関する会議にも出席し、各社が抱えている問題点や実施している対策をグループ会社間で共有することで、横断的な改善に努めている。

○社内における消費者対応マニュアルや食品事故対応マニュアルの整備状況

・日清食品グループではクラウド型お客さま対応システム「VOICE」を運用しており、「お客さまの声」を製品・サービスに活かしている。また、お客さまと直接接することのある営業社員向けには、お客さまに対応する際の心構えや言動における注意点などをまとめた手順書(マニュアル)を作成し、イントラネットに公開している。

・日清食品グループの事業会社が製造する商品に事故が起きた場合の回収対応等に関する規程を作成。「重大事故対応マニュアル」としてイントラネットに公開している。

 

○消費者とのコミュニケーション

・関西工場では近隣市町村の小学校の社会科見学を積極的に受け入れており、見学者が当社グループの安全・安心への取り組みを楽しく体験しながら知ってもらうことを目指し、以下を提供している。

・日清食品グループは、発明・発見の大切さを伝え、創業者・安藤百福の「クリエイティブシンキング=創造的思考」を楽しく学べる体験型食育ミュージアム「カップヌードルミュージアム」(正式名称:安藤百福発明記念館)を大阪府池田市と神奈川県横浜市で運営している。会場では、インスタントラーメンの発明や発展に関する展示のほか、小麦粉をこねて麺を作るところから始める「チキンラーメンファクトリー」、スープや具材を選び世界で一つだけのオリジナルカップヌードルを作る「マイカップヌードルファクトリー」などの体験ができる施設となっている。

・日清食品は、小学生を対象とした「チキンラーメンOishiiしょくいくスクール」を全国各地で開催している。チキンラーメンができあがるまでの工程を体験してもらうほか、栄養バランスのとれた食事の大切さについても学ぶことができ、参加者の皆様より大変好評をいただいている。

 

(コンプライアンス体制)

「日清食品グループコンプライアンス規程」に基づき、日清食品ホールディングス主要部署と各グループ会社にコンプライアンス推進責任者を置くとともに、日清食品ホールディングス代表取締役副社長・COOを委員長とする「コンプライアンス委員会」を四半期に一度開催している。「コンプライアンス委員会」では、内部通報窓口への相談・通報傾向や発生事例の報告、防止策ならびに再発予防策を検討している。各社・各部署に設置されているコンプライアンス推進責任者は、配属先の違反懸念行為の調査、報告を担っているほか、委員会での報告内容の共有や勉強会を開催している。

・「日清食品グループ内部通報規程」に基づき、日清食品グループで働く役員・顧問・パート社員・派遣社員を含む全ての従業員と退職者が業務上の法令違反行為などを通報・相談できる内部通報制度を設けている。 利用しやすいように社内外に3つの窓口を設け、この窓口を周知するため、連絡先を記載した名刺サイズの「コンプライアンスカード」を国内グループ会社の全従業員に配布している。

・コンプライアンス意識向上のため、取引先との関係や情報管理、セクハラ・パワハラなどをはじめ、遵守すべき法令や社会規範をケーススタディ別にまとめた冊子「コンプライアンスブック」を国内グループ会社の全従業員に配布している。

 

(食の安全・安心確保対策)

・国内外の事業所・工場で品質マネジメントシステムの国際規程「ISO9001」、「HACCP」の手法をもとにした食品安全マネジメントシステムの国際規程「ISO22000」、さらにはフードディフェンスの考え方を加えた国際規程「FSSC22000」の取得を進めている。

・各工場における日常的な品質管理に加え、独自の食品安全監査基準に基づいた定期的なグループ内監査と、そこから抽出された課題の継続的な改善に取り組んでいる。加えて、グローバル食品安全研究所 (以下、研究所) での原材料や製品を分析・検査する二重の管理体制をとっている。研究所では、原材料に対して、農薬や動物用医薬品、重金属などの危害物質や放射性物質を分析するほか、遺伝子組み換え農産物やアレルギー物質のコンタミネーションの有無、最終製品の栄養成分などを確認している。

 

(その他のCSR活動)

○社会貢献

・日清食品グループでは創業50周年を迎えた2008年から「百福士プロジェクト」を実施している。これは社会貢献活動に情熱を注いだ創業者・安藤百福の志を継ぎ、50年間に100の「未来のためにできること」を実現していく社会貢献活動で、「創造」「食」「地球」「健康」「子どもたち」の5つのテーマのもと活動を行っている。

・日清食品グループはフードバンクをはじめとした各種施設に製品を寄贈している。

《2019年~2020年度実績》

認定NPO法人「セカンドハーベスト・ジャパン」他3施設に対し日清食品ホールデインングスより3.1万食、日清食品より4.1万食、合計7.2万食寄贈。また、国内外で発生した自然災害への支援策として、被災地への製品提供に加え、東日本大震災からの復興支援を目的として売り上げの一部を自治体復興基金に寄付する製品を販売している。

・日清食品および日清食品冷凍は、途上国の学校に給食を提供する「国連WFPレッドカップキャンペーン」に参加し、対象製品の売り上げの一部を寄付している。(2012年~2019年度累計寄付金額:約2億5,000万円)また、日清食品は、ベルマークを付けた製品を1961年から販売している。

 

○環境対策

・海外における原材料の生産過程には、児童労働、強制労働、劣悪な労働環境、生産地周辺に与える環境負荷  など、さまざまな問題が潜んでいることから、環境面、社会面に配慮した持続可能な原材料の調達を進めている。また、畜産業が与える環境負荷が甚大であることから、大豆たんぱく質を主原料とした植物代替肉(大豆ミート)を使用している。さらに、将来を見据えて培養肉の開発にも取り組んでいる。

 

・持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指し、環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE2030」を2020年4月に策定した。2030年度に向けた数値目標を設定し、「①資源」と「②気候変動」の2つを柱として、現在さまざまな取り組みを進めている。

<資源>

・製品作りに欠かせない原材料である「パーム油」の持続可能な調達比率:100%

・IFRSベースの売上百万円当たりの水使用量:12.3㎥

・廃棄物の目標値として、再資源化率99.5%の維持と、販売・流通過程での総量50%削減(対象:国内事業所、2015年度比)

<気候変動>

・CO2排出量の目標値として、2018年度比「Scope 1+2」30%削減、「Scope 3」15%削減

・植物代替肉の使用を推進、培養肉の研究を継続

・日清食品の「カップヌードル」ブランド製品に環境配慮型容器「バイオマスECOカップ」を採用(2021年度中に切り替えを完了)

○人権尊重

「日清食品グループ人権方針」を策定し、日清食品ホールディングス代表取締役社長・CEOを委員長とする「サステナビリティ委員会」の傘下に「人権ワーキンググループ」を設置し、人権尊重に関する施策を講じている。

2019年度には人権リスクを特定し、「国内のグループ会社で働く外国人労働者の職場環境の把握」と「アジア地域におけるサプライチェーンマジメント体制の強化」が必要と判断。リスクの低減に向けて取り組んでいる。

社員向けには、セクシャルハラスメントとパワーハラスメントの防止、LGBTへの理解向上、アンコンシャスバイアスに関する研修を開催している。

 

(食品表示法への対応)

【アレルギー表示】

日清食品グループのウェブサイトでは、製品ごとに28品目(表示義務のある特定原材料7品目と、表示が推奨されている特定原材料に準ずる21品目)すべてのアレルギー物質情報を掲載しており、アレルギー物質を「含む」「含まない」の検索ができるようになっている。

【栄養成分表示と、原材料の産地公開】

日清食品グループのウェブサイトでは、製品ごとに、栄養成分と原材料ごとに主な原産国と最終加工地を公開している。