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受賞者一覧

令和元年度/第41回受賞者

食品産業部門 <経営革新タイプ③>(2019)
農林水産省食料産業局長賞

ヤマダイ食品株式会社

代表取締役会長兼社長: 樋口 智一
所在地:三重県四日市市
業種:業務用調理済冷凍食品の製造
> 公式ホームページ

【功績申請の概要】

  • (栄養・健康に配慮した食品の開発)
    【噛むこと・飲み込むことに配慮した食品への取り組み】 〇製造している冷凍食品の総菜は、自然解凍で食べることができ、栄養バランスの良い食事が手軽に提供でき ると好評を得ている。その中でも介護食の認定マークを取得している商品(UDF商品とスマイルケア食)やYSシリーズ(通常よりも柔らかい冷凍総菜シリーズ)は、特に人手不足が深刻化している病院や老健施設で、高齢になり噛む力や飲み込む力が衰えた患者さんや入居者の方々にも安心して提供できると評価されている。
  • 2017 年からは介護食の認定マークの取得や、ケア食コンクールへの参加、専門展示会への出展を通し、さらに積極的に介護食品への取り組みを行い(現在の介護食認定商品数 UDF商品:2 商品、スマイルケア食3 商品)、第4 回介護食品・スマイルケア食コンクールにて審査委員長賞を受賞した。
  • 病院や老健施設の方々からの要望に応える介護食品の商品開発は、営業担当者や商品開発担当者のモチベーションを上げ、営業力や商品開発力の強化に繋がっている。
  • 葉酸、カルシウム、鉄分といった妊婦が多く必要とする栄養素を豊富に含む小松菜惣菜を6 次産業化によって製造し、2019 年12 月から妊婦向けとして個人への販売を予定している。

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●功績申請の具体的内容
(開発・製造状況)
〇自社の商品を通して、社会に健康な人が増えることを使命とし、取り扱い食材を主に野菜に特化した事業活動をおこなっている。
〇YSシリーズ(柔らかく食べやすい老健施設向けの商品)や、UDF(ユニバーサルデザインフード)規格適合商品、スマイルケア食の認定をうけている商品など、栄養・健康に配慮した商品の開発・製造にも力を入れている。現在介護食品に適合している商品はUDF規格適合が2 品、スマイルケア食(青マーク)3 品あり、他に4つの商品で物性試験をおこなっている。その他にYSシリーズが9 品ある。
〇スマイルケア食の認定をうけている<弊社商品:R 三種豆とオクラのさっぱり十八穀サラダ>は「第4回介護食品・スマイルケア食コンクール(健康維持上栄養補給が必要な人向けの食品部門)」にて審査委員長賞を
受賞した。
(製造方法の改良・高度化)
〇2018 年4 月に発売した【(CF)ほうれん草卯の花柚子風味】は、日常の食事から介護食まで幅広く使用できるユニバーサルデザインフード利用許諾商品である。それまで弊社で取扱をしていた【卯の花】には、高齢者では食べにくい昆布や椎茸が入っていたが、それらを除き、国産のほうれん草と人参を使用し、また塩味を感じにくい高齢者でも風味を楽しめるように柚子を加えるといった改良を行った(食塩相当量1.1g/100g)。
・今年8 月に老健施設向けとして、【やわうま みたらし(団子+野菜)】を新発売した。「しっかり甘醤油味」を、健康に配慮しながら、塩分を抑えて実現させた(塩分相当量1.0g/100g)。
・【やわうま みたらし(団子+野菜)】はYSシリーズで行っていた袋詰時の殺菌工程をなくし、病院・老健施設の一般的なオペレーションに合わせた湯煎解凍商品に設計変更することで、弊社の作業効率は向上し、味がよく、見た目もよい商品へと進化をとげた。
(研究・開発体制)
〇商品開発部は現在8 名、その中で高齢者向け商品の担当チームを作り開発を行っている。また企画部、営業部の管理栄養士の資格をもつ社員もサポートに入り、商品へのアドバイスやUDF(ユニバーサルデザイン
フード)、スマイルケア食の認定取得等を行っている。
(販売方式や販売ルートの工夫等による販売促進)
〇自社営業担当が病院・老健施設等への直接営業を行っているため、その中でお客様からお聞きした意見を活かし、商品開発を行っている。
〇解凍のみで食べることができる商品であるため、そこを1 つの強みに販売促進をおこなっている。
〇ケア食への取組みによって、既存商品の提案ばかりになっていた病院・老健施設に、新商品の提案やマーク取得の説明等で新たな商談機会をつくることができた。
(市場開発・普及度)
〇老健施設向け商品の売上は1 億4 千万円(2018 年度)で、ケア食への取り組みを始めた2017 年度に比べ、1.8 倍の売上となった。(※2016 年度以前のケア食の売上は認定を受ける前の同商品の売上)
(外部との連携、社会への貢献)
〇国産野菜の使用拡大について
・国産野菜の使用拡大を進めており、2011 年には農林水産省「第4 回国産野菜の生産・利用拡大優良事業者表彰」にて(独)農畜産業振興機構理事長賞を受賞した。
〇地域雇用について
・三重県の本社にて地元高校生や、地域住民、70 歳以上の方のパート雇用など、地域雇用の活性化を促進している。地元高卒者の採用数は、2019 年4 月:3 名、2018 名4 月:3 名、2017 年:2 名
〇6次産業化への取り組みについて
・関連会社を設立し、日本の農業の活性化・地域活性に取り組んでいる。(茨城、大分)
・茨城県では、地元産農産物を使用した惣菜製造に強みを持つ「茨城中央園芸農業共同組合」と弊社にて共同出資し、「㈱茨城もぎたてファクトリー」を2014 年11 月に設立した。ここでは茨城県産の小松菜やほうれん草を契約栽培による全量買取等することで、農業生産者の所得向上と生産規模拡大による農地の維持・耕作放棄地削減、地域活性化に取り組んでいる。また、生産・加工・販売を一貫して行うことで、外国産原料を使用した惣菜と価格面で競争できる国産原料惣菜製造を目指している。
・大分県では、2016 年3 月に中津市の「株式会社スーパー細川」と「農事組合法人原口営農」および「農事組合法人西秣営農」と共同出資し、「㈱中津もぎたてファクトトリー」を設立した。ここでも茨城での取り組み同様、大分県産の小松菜やほうれん草を契約栽培による全量買取等することで、農業生産者の所得向上と生産規模拡大による農地の維持・耕作放棄地削減、地域活性化に取り組んでいる。
(食品表示法への対応)
〇加除式の食品表示マニュアルを契約しており、常に最新の法規情報を入手している。