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受賞者一覧

令和元年度/第41回受賞者

環境部門 <省エネ等環境対策推進タイプ>(2019)
農林水産省食料産業局長賞

株式会社町村農場

代表取締役: 町村 均
所在地:北海道江別市
業種:乳製品の企画・製造・販売等
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【功績申請の概要】

  • 2000 年、国内にける実践型プラントとしては、京都八木町(現南丹市)の公社事業に続く2 例目となる、家畜糞用利用の発電型バイオガスプラントを農場内に設置し、現在に至るまで運用を続ける。その間、 バイオガスプラント事業に関わる(あるいは将来的に関わる意図を持つ)自治体、公営団体、企業、研究者が広く参画する日本初の団体であるバイオガス事業推進協議会の設立に協力し、現在まで、幹事及び役員を務めている。
  • 酪農専業農場であるが、生乳生産から製品加工迄を一貫して行う、特色ある経営スタイルを確立しており、各工程で発生する課題をいち早く把握し、解決に向けた対応策を迅速に検討し実施できる組織体制となっている。
  • 単に家畜糞尿の再利用を進めるだけでなく、リサイクル化に際し、悪臭等の周辺への負荷低減を重視し、平成11 年には、単体農家設備型の実践プラントとしては国内に前例のなかったモデルを導入した。
  • バイオガスプラントによる自家発電により、農場施設全体(住居部は除く)の電力使用量の約6割を賄っているが、深夜を中心に、若干の余剰電力が発生しているため、これを地元電力会社に提供している。
  • 牛舎から発生する糞尿は、発酵タンクで一定期間発酵させる事で液肥となり、その全量が、同農場の圃場の肥料として還元されるため、従来から購入・使用していた化成肥料を3割軽減することができた。
  • 製品は、主に直営店やオンラインショップで販売され、過剰生産・在庫による廃棄ロスを発生させないよう、計画生産に注力している。

●功績申請の具体的内容
(資源・環境保全対策)
〇省エネルギー・地球温暖化対策
・バイオガス発電による自家発電力で、2000 年当初は、施設内の全使用電力量の約半分(3万kwh)を賄っ
ていた。現在は使用電力量の増加により、比率は30%程度である。
・日本自然エネルギー㈱とグリーン電力証書の契約を行い、CO2削減量の見える化と、その価値の販売を、同社が仲介する需要先企業へ行っている。
〇環境保護・保全対策
・牛の排出する糞尿を十分発酵させてたもの(消化液)を、全量、当農場の圃場の肥料として還元しており、そこでは牧草だけでなく、飼料用トウモロコシ、小麦を栽培している。これにより化成肥料の使用を、従来の約3割削減することができた。
・工場周囲には芝生を敷き、専属に管理する人員を確保し、美観の維持に努めている。工場直売店も敷地にあり、多くの買い物客が訪れている。また、敷地外は、自治会活動の一環として、周辺道路の年3 回のゴミ拾いと用水路の草刈りを地域住民とともに実施。
○環境問題への社内体制等
・小さな組織のため、専門的な組織は設けているわけではないが、良好な自然環境あっての酪農業なので、全てのスタッフと環境保全の意識を共有している。

〇江別市内にある、創業期の旧農場跡を、資料館「旧町村農場」として復元・整備し、公開するなど、地域に密着した農場であること、また、環境との共生が大変重要な要素であることを常に語り、前述の通り、従業員一人一人に日常業務を通じて体感して貰っている。
〇ホームページなどで取り組みを紹介。また、求められれば、講演などを実施。また、上記資料館は、江別市に寄附しており、1996 年11 月に経産省より「近代化産業遺産」として認定され、市民の学習の場としても活用されている。
〇北海道庁は、廃棄物の発生・排出抑制に関する意識の醸成や環境経営の普及を促し、循環型社会の形成を促進するため、平成17 年度に道内で模範的な取組を行っている事業所を表彰する制度「北海道ゼロ・エミ大賞」(現在の担当部局は、北海道環境生活部環境局 気候変動対策課 民間連携グループ)を設けており、当社は、平成19 年度に優秀賞を受賞した。対象となった受賞取組名は「家畜排泄物のバイオガス発電と処理済み排泄物の肥料化」である。