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受賞者一覧

令和元年度/第41回受賞者

食品産業部門<農商工連携推進タイプ>(2019)
農林水産大臣賞

山形食品株式会社

代表取締役社長: 鈴木 庄助
所在地:山形県 南陽市
業種:果汁飲料等の製造販売
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【功績申請の概要】

  • 県内の農産物生産者と消費者をつなぐ架け橋をめざし、食品産業と農業・文化振興に貢献することを目的に事業展開を図っており、「山形県の食品と文化の共生」を合言葉に山形を代表するスポーツや音楽団 体との連携を図り、「夢・感動・おいしさ」を消費者に届けていく取組みを行なっている。
  • 商品全体の県産比率は47%程度である。
  • 原産地表示の問題や気候不順による加工用果樹の不足が全国的に顕著になっており、県産加工用農産物の調達が難しい中、年間3,900 トン余りの県産果樹の購入を行なっている。
  • 農業者支援を第一とし、加工用果樹が大量発生した年は当初契約の倍の数量を購入するなどし、農家収益の安定を図っている。また、東日本大震災時の地元支援や放射能風評被害時の福島産果樹の購入等を通じて、県外農業者への支援にも寄与している。
  • 高い食品加工技術を活かした受託加工生産(一次加工含む)にも取組んでおり、他企業との共同研究商品の開発を手掛け、農産物の使用・消費拡大に貢献している。
  • 2010 年に販売した「山形代表」は、空気に触れずに果汁を搾汁することにより、ビタミンC を添加しなくても果汁の色が褐色することなく、果汁本来の味が味わえる100%ストレート果汁であり、多方面から支持を受けた商品として今も愛されている。

●功績申請の具体的内容
(農商工連携の推進)
〇1932 年の設立以来、山形県の農産物加工企業として「生産者の心と消費者の目」を重視し、山形で生産されたものを山形で加工することを基本方針として製造・販売を行っている。
〇この一貫した経営方針に基づき、使用する果樹は県産100%を目指しており、果樹8 品種のうち5 品種で県産100%を達成している。
〇県産比率は47%程度であるが、今後も県産100%に拘る方針を強化していく予定であり、今年度の購入計画では、昨年度に比べ大幅な購入予定としている。
原料調達状況 (単位:kg・%)
原料仕入総量 国産原料量 県産原料量 県産原料割合
2016年 10,793 10,793 5,280 48.9
2017年 8,697 8,697 4,043 46.5
2018年 8,186 8,186 3,867 47.2
○生産者ヘの技術指導等、農業への支援
・トマト栽培農家への栽培技術指導
1974 年以来、毎年、良品生産と多収穫を主な目的に㈱カゴメと共同でトマト栽培農家への技術指導を実施している。特に栽培・堆肥管理に注力しており、仮植時期から収穫直前まで産地を圃場巡回して講習会を開催し管理指導に取組んでいる。

・農家の収益性向上のための施策
ラ・フランス農家支援として、1997 年に予冷追熟庫(容量500t:密封して冷却してから加温することができる)を導入している。この追熟庫の導入により、農家は追熟する必要がなくなり、収穫して直ぐのラ・フランスをもぎおろしとして納入することができるため、農家側はこの分の経費を抑制することができ収益性が高まる結果となっている。
・県内農家所得向上支援措置
農家支援の観点から当初決められた契約以上の購入を実施し、農家所得の大幅な落ち込みを抑制する措置をとっている。過去には、2009 年にりんごの軸割れ果の多発が発生した際に「山形県産りんご果汁緊急消費拡大運動」に賛同。当初契約は2,000 トンであったが3,178 トンの購入を行った。この余剰分を使用して当社商品の「新春しぼり」を山形県全小学校・中学校に無償配布した。
○国産農産物を利用した新商品開発
商品開発については、原料となる果物を栽培する農家数や・面積・収穫量の減少や高齢化に加え、気候変動の影響・流通経路の変化もあり、当社が必要とする果実の入手が年々厳しくなっている中、県産農産物の購入確保と使用量拡大のための営業展開と新商品開発を積極的に進めてきている。商品開発のアイテム数は少ないが、2010 年に販売した「山形代表」は企画・開発に奥田政行氏(「アルケッチャーノ」オーナーシェフ)、パッケージデザインに中山ダイスケ氏(現東北芸術工科大学学長)に参画してもらった商品で、「日本ギフト大賞2016 山形賞」や「世界にも通用する究極のお土産」10 選に選出されるなど、多方面からの支持を受けた商品として今も愛されている。「日本ギフト大賞2016 山形賞」や「世界にも通用する究極のお土産」10 選に選出されるなど、多方面からの支持を受けた商品として今も愛されている。
○販売促進
2018 年、全農生活リテール部を通じて、JALファーストクラスのメニューに採用され、3四半期に渡り多くの旅客に提供、当社ブランドであるSun&Live の知名度向上を図ることができた。2010 年より、全農を通じて海外への輸出を実施しており、2018 年には米国への輸出も始まり、中国(上海・香港)と合わせて、果樹飲料(12 アイテム)と果樹加工品(ジェラート・8 アイテム)を提供している。
(地域農業との連携、地域活動等)
○地域社会との連携
当社の経営方針として、音楽・スポーツ文化の振興を目指し、2012 年に東北唯一の楽団である「(公財)山形交響楽団」とプロサッカースポーツとして地域に根付いた「モンテディオ山形((一社)山形県スポーツ振興21世紀協会」(当時)、山形食品が三社協定を結び、「農業の夢」と「音楽の夢」・「スポーツの夢」へ共に力を合わせてメッセージを発信することで仲間づくりを展開している。
○地域の農協、漁協、地方食品産業協議会等との協力状況貢献
一部の各地域農協とは原料野菜仕入れの契約を結んでいる。生産者と直接契約のほか、問屋や農協との契約も毎年行っている。
○地域の雇用先としての貢献
採用は地元優先としており、毎年県内出身者を10 名前後採用している。高校卒は全て県内高校からの雇用としており、大学・短大からの採用についても県内出身者としている。
(食品表示法への対応)
2016 年山形代表シリーズのリニューアルのタイミングで栄養成分表示、原料原産地表示に対応した表示に改版した。他商品、原料原産地表示については飲料25 アイテム中20 アイテムが対応済となっている。2020 年度中には全アイテム変更の予定。