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受賞者一覧

平成28年度/第38回受賞者

環境部門<容器包装リサイクル推進タイプ>(2016)
農林水産省食料産業局長賞

味の素ゼネラルフーヅ株式会社

代表取締役社長:品田 英明
所在地:東京都 渋谷区
業種:飲食料品の製造・販売
> 公式ホームページ

【功績申請の概要】

  • ○味の素ゼネラルフーヅ株式会社(以下AGF)は、2016年春より、主力ボトルコーヒー全商品に、資源循環型の再生耐熱PET樹脂を100%使用したペットボトルを導入した。この100%化は全世界の飲料メーカーの中でも唯一AGFだけが行う取り組みである。
  • ○AGFは、4年前の2012年春より、ボトルコーヒーに使用するペットボトルに、ペットボトルからペットボトルに再生して使用する資源循環型リサイクル技術の導入を開始したが、AGFの主力ボトルコーヒーはホット充填で製造されるため、耐熱タイプのPET樹脂を使用する必要があった。しかし2012年当時は、再生PET樹脂には非耐熱タイプのものしか存在せず、耐熱タイプの石油系PET樹脂も併用せざるをえないことから、耐熱タイプのペットボトルの再生PET樹脂の使用率は50%にとどまっていた(非耐熱タイプについては、2012年より再生PET樹脂の使用率100%を実現)。
  • ○今回、世界唯一の革新的なペットボトルのケミカルリサイクル技術によって、耐熱タイプの再生PET樹脂が開発されたため、AGFはい ち早くこれを取り入れ、〈ブレンディ〉ボトルコーヒーシリーズ、〈マキシム〉〈トリプレッソ〉ボトルコーヒーシリーズの他、AGF製造の耐熱ペット ボトル使用の全商品に再生耐熱PET樹脂を100%使用し、「完全循環型リサイクル」を実現する事が出来た。これにより、原 料として年間約2,000トン相当(概算)の石油資源使用量を削減する事が可能となった。
  • ○またAGFは、2015年の春より、独自の環境マークである「ほっとするエコ」マークを商品パッケージに順次展開し表示しており、例えば再生PET樹脂を使用しているペットボトル商品は「再生プラでエコ」のマークを記載し、お客様に「環境にやさしい(=エコ)」ことをご理解いただき、AGFの環境への取り組みが一目でわかる情報として発信しています。当社では、容器包装の3R(リデュース、リユース、リサイクル)に留まらず、お客様の利便性までも考えた3R(再利用/省ゴミ/分別促進)として捉えている。私たちはお客様が実感できてこそ“真の環境への取組”であり、“3R”だという強い信念のもと活動を続けている。

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(資源・環境保全対策について)

○容器包装の軽量化、薄肉化、小型化、リユース(リターナブル)容器等の状況

・<ブレンディ>スティックコーヒー】

・スティックパウチとカートンの小サイズ化(2007年)や、スティックパウチの薄肉化(約6%減)を行ってきました(2013年から

順次)。特に、このスティックパウチの薄肉化では、包材重量で約100トン、CO2排出量で約1,000トンを削減することができ

た(2013年度販売数量を元にAGFが算出)。

・スティックの長さを15cm→13cmに2cm短縮し、それに付随して、カートン、段ボール箱の2次包材もコンパクト化を実施した

ことにより、年間のプラスチック素材の使用量を13%、紙使用量を8%それぞれ削減することができ、包装重量としては約4

00トン/年、CO2排出量としては、約1,400トン/年を削減することができた。また、段ボール箱のコンパクト化に伴い、パレット輸送効率も向上し、例えば、主力商品の<ブレンディ>スティック カフェオレ10本入り商品段ボール箱は、パレット8配5段積みがパレットと8配8段積みとすることができ、従来品と比較するとパレット効率を60%改善することができた(2015年)。

【<ブレンディ>および<マキシム>インスタントコーヒー】

・インスタントコーヒーの瓶入り商品を、いち早く省資源容器である袋へ変更してきました。インスタントコーヒーの袋と瓶のペア

パック販売による詰め替え提案(2005年)など、継続的に、消費者に対して袋から瓶への詰め替え訴求を行ってきており、

容器包装の省資源化を啓発している。

○リサイクルしやすい容器包装の取組

・【<ブレンディ>ボトルコーヒー】

・900ml商品については、ラベルを剥がしやすくするために、業界で初めてWミシン目を採用(1998年)し、今ではペットボトル

商品のスタンダードにまでなっている。

・ペットボトルをつぶしやすくするために、クラッシャブルボトルを採用(2006年)、さらにラベルを剥がしやすくするために、ボトル

の肩にくぼみを入れた(2010年)。

・PETボトル to PETボトルリサイクル方式(ケミカルリサイクル技術、ホットパック商品では世界初)を導入したペットボトルを主

力全商品に採用した(2012年)。

・スティックコーヒーでは、廃棄する際にカートンをつぶしやすく、コンパクトにするためのミシン目を底部に入れた(2006年)。

・「ブレンディ」ボトルコーヒーは、ラベルを剥がしやすくするために、Wミシン目の採用(平成10年)、PETボトルをつぶしやすくす

るためにクラッシャブルボトルの採用(平成20年)、ラベルを剥がしやすくするために、ボトルの肩にくぼみを入れた(平成22

年)。そして、PETボトルtoPETボトルリサイクル方式を導入したPETボトルにした。そのほかに、インスタントコーヒー等の瓶製品

では、剥離ラベルを採用(平成12年)、スティックコーヒーでは、箱をつぶしやすくするミシン目を底部に入れた。(平成18

年)

○容器包装に係るその他環境対策の取組状況

【再生耐熱PET樹脂100%使用ペットボトルの導入】

・AGFでは、2016年春より、主力ボトルコーヒー全商品に、資源循環型の再生耐熱PET樹脂を100%使用したペットボトル

を導入した。この100%化は全世界の飲料メーカーの中でも唯一AGFだけが行う取り組みであり、これによりAGF製造の全

てのPETボトル商品において、石油由来の原料資源を使用しないペットボトルからペットボトルへの「完全循環型リサイクル」を

実現する事が出来た。

・AGFは、4年前の2012年春より、ボトルコーヒーに使用するペットボトルに、ペットボトルからペットボトルに再生して使用する

資源循環型リサイクルであるケミカルリサイクル技術の導入を開始し、新ボトル名称を「フレンドリーボトル」とし、採用して参りし

た。ペットボトルのリサイクルは、回収されたペットボトルの約8割が、再生時には元の品質が維持できないことからペットボトル

に再生することができず、卵を包装するパックや食品用トレーなどにリサイクルされている(カスケードリサイクル)。

しかしこのケミカルリサイクル技術は、使用済みペットボトルを化学的に分解して原料に戻し、再びPET樹脂として利用すること

で、石油由来原料から作られた新品のペットボトルと同等の品質へ再生することが可能となる技術です。この技術は、世

界唯一の技術、東洋製罐株式会社のグループ会社であるペットリファインテクノロジー株式会社のPRT方式(アイエス法)

によるもので、内閣府食品安全委員会で食品容器への使用が承認されている。

・AGFの主力ボトルコーヒーはホット充填で製造されるため、耐熱タイプのPET樹脂に再生して使用する必要がありました。20

12年当時は、再生PET樹脂には非耐熱タイプのものしか存在せず、耐熱タイプの石油系PET樹脂も併用して使用せざるを

えないことから、耐熱タイプのペットボトルの再生PET樹脂の使用率は50%にとどまっていました(非耐熱タイプについては、2

012年より再生PET樹脂の使用率100%を実現)。

・今回、世界唯一の革新的なペットボトルのケミカルリサイクル技術によって、耐熱タイプの再生PET樹脂が開発されたた

め、AGFはいち早くこれを取り入れ、〈ブレンディ〉ボトルコーヒーシリーズ、〈マキシム〉〈トリプレッソ〉ボトルコーヒーシリーズの他、

AGF製造の耐熱ペットボトル使用の全商品に再生耐熱PET樹脂を100%使用し、「完全循環型リサイクル」を実現する事

が出来た。これにより、原料として年間約2,000トン相当(概算)の石油資源使用量を削減する事が可能となった。

○容器包装リサイクルに関する消費者、市町村等との連携

・関東地区自治体との活動としては、九都県市容器ダイエット宣言に賛同するとともに、毎年、ごみ減量いいね!キャンペ

ーンに参画しています。東海地区自治体との活動としては、東海三県グリーン購入キャンペーンに毎年、環境に配慮した

商品を協賛している。

・また、国民生活産業・消費者団体連合会にて作成した3R漫画「地球にいいコト考えよう!」を工場見学者や工場(生産

関係会社)周辺の小学生に配布することにより、環境教育の一助として役立ててもらっている(2016年8月~)。

 

○環境対策の社内組織の状況

・AGFグループは、グループ全体で統合ISO(14001、9001)の認証を取得しています。そして、この仕組みを活用した環境

マネジメントシステム(EMS)を生産関係会社を含めたAGFグループ全体のバリューチェーン※システムと連携させて運用して

いる。

・品質・環境・安全委員会は、各本部の代表者(部門長)で構成され、「品質・環境・安全」の全社取組みを共有し、課題

と対策を確認する場として月次で開催しています。また、経営会議メンバーおよび全部門長が参加する統合ISOマネジメント

会議を年2回開催し、品質、環境、労働安全マネジメントレビューおよび目標の共有を行っている。

○従業員に対する取組み

・身近な活動としては、営業車のCO2排出削減としてエコドライブキャンペーン実施やオフィスの照明器具・エアコンの省エ

ネ化を推進し、月次電気使用量の電子掲示板掲載による節電意識向上、クールビズ・ウォームビズを推奨している。

・2014年より生産関係会社がある三重県で、また、昨年から同じく生産関係会社がある群馬県で、県、市、NPO、そして

森林組合の協力を得て、森づくり活動を開始し、毎回70~90名が活動に参加しています(工場で使用する水の水源の

保護と環境教育の実施)。これらの活動は、今年の6月までに、三重県で13回、群馬県で6回実施してきた。さらに、昨年

8月より、京都市の上賀茂神社の森の森づくり活動を開始し、今年も実施した。サスティナブルコーヒーに関する教育とし

て、レインフォレスト・アライアンスの農場実習マネージャーによる社内セミナー(本社および生産関係会社)も開催した(20

15年)。

 

○消費者への情報提供等啓発活動

・昨年2月から導入したAGF独自の環境マークである「ほっとするエコ」マークを表示することにより、AGFの商品を使ってい

ただける消費者にAGFの商品への環境取組みをお伝えしている。三重県の森活動の拠点として使用させていただいている

亀山市の馬子唄会館にて、AGFの森活動に関連して「ブレンディの森 鈴鹿」展示スペースを開設し、当会館を訪れる方に

「AGFの森活動の内容」や「森に生息する、植物・昆虫」について紹介している(2016年6月~)。

○環境行政に対する対策・協力

・四日市港と協働で海外輸入原料の国内輸送距離短縮、エコレールマークの認定継続(2005年~)、エコマーク認定

の取得(2009年~)、九都県市の容器包装ダイエット宣言、東海三県一市のグリーン購入キャンペーン等の環境行政に

関わることに参加しています。また、2012年には環境省が主催する活かそう資源プロジェクトへ参画した。

・2014年から開始している森作り活動につきましては、三重県、亀山市、群馬県、前橋市や森林組合等のサポートを受け

た上で実施させていただいている。