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(1)対象物の調査
混入していた虫は、体長が約10mmのノシメマダラメイガ(別名:ノシメコクガ)の幼虫であることが判りました。ノシメマダラメイガの食害範囲は極めて広く、動物系、植物系食品が共に被害を受け、混入する食害虫の中で最も高い頻度を示して居るといわれています。この虫の特徴となる生態としては、1年に3〜4回の世代交代をおこなう旺盛な繁殖力を持っています。その理由は、前述のように対象となる餌の範囲が広く、食害虫として捉えると、成虫は羽化すると直ちに空中で飛翔中に交尾をし、メスは直ちに空中から散布しながら産卵するため、その下方にある食品原料や製品は無差別的に孵化した幼虫の餌の対象になるとされています。仮に包装がなされていても、アルミ蒸着フィルムも含めて食品に使用されている包装材料の殆どは、幼虫の持つ鋭い嗅覚と強い顎による穿孔被害を受けている事例があります。
(2)混入の原因
対象物の虫が生きている点で、ビスケットの製造中での混入はあり得ず、製造日と開封日が特定されない状況では、混入場所の特定は出来ませんが、少なくともクレーム品が製品となって、製品倉庫に入れられた以降で穿孔潜入されたと考えられます。つまり製品倉庫内で貯蔵中に穿孔侵入されたか、あるいは流通段階での倉庫内、運搬車輌内、販売店倉庫、販売店店頭などが侵入場所としての候補に挙げられますが、本件のように虫の生活痕跡の少ない場合は、穿孔被害を受けてから日時の経過が少ないことになり、従って購入日に近い店頭での潜入の可能性が高いといえます。店頭で古くなった商品をそのまま返品もせずに長期間入れ替えを行っていない場合このような被害を受けた例が他の食品についても発生しています。商品の置かれている場所が成虫の飛翔侵入を含める汚染地域であれば、孵化した幼虫の穿孔侵入の被害を受ける原因になります。
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