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焼き豚にネトが出て異臭発生

 製品分類
  食肉加工品/焼き豚
 事故分類
  変敗
 事故内容
  真空包装してある「焼き豚」の包装をきったところ表面がヌルヌルし、異臭がします。
 調査結果
  (1)クレーム品にはソルビン酸カリウム、亜硝酸塩が使用されていました。
(2)クレーム原因
乳酸菌の炭水化物代謝による有機酸の生成やデキストランの生成などにより異臭やネトが発生したものと思われます。「焼き豚」はスチームオーブン(スモークハウス)で蒸煮殺菌する(蒸煮工程)。 このとき中心温度は63度,30分以上になるように決められています。加熱が不十分であったことが考えられます。スチームオーブンから出て冷却・保管し、真空包装されるまでの間は短時間とはいえ一時的に空気にさらされたり、作業台上に置かれたり、作業者の手(手袋着用)に触れたりします。この間に乳酸菌による2次汚染が発生した可能性があります。「焼き豚」製造工程を以下に示します。


 対策
 

(1)蒸煮工程に入る前の「焼き豚」半製品の初発菌数を極力抑えるようにします。

(2)蒸煮殺菌の温度管理を確実にします(中心温度70度)。

(3)作業台などからの2次汚染を無くすため包装工程での衛生管理を厳重に行います。アルコール噴霧などにより、拭き取り検査では微生物が検出されないレベルを維持します。冷却(保管庫)は適正な温度と時間を確保します。

(4)あまり知られていませんが、乳酸菌には比較的耐熱性の高い菌が報告されています。従って、商品設計の点からも加熱・殺菌温度、水分活性、pH、低温流通保管温度などをそれぞれハードルに見たてて、これらのハードルを組み合わせることにより最後のハードルを飛び越えて生残する微生物を制御しようとする、伝統的に食肉加工品に組み込まれてきた複雑な微生物制御要因を科学的に解析し、発展させた「ハードル理論」を参考にして添加物の使用、工程管理法などを検討するようにします。特に、加熱工程のある工場で乳酸菌によると思われるクレームが毎年限られた時期に発生する場合は工場特有の汚染乳酸菌叢も考えられるため、その乳酸菌を特定することも必要になります。

(5)真空包装された製品は短時間、加熱(80度)再殺菌するのも一つの方法です。

(6)工程の汚染度をチェックするために「ATP測定器」活用します。

 

  【参考文献】   月刊フードケミカル, 8月号, 42〜48, (1996)