食品事故Q&Aトップ/製品分類 [乳・乳加工品] /事故分類 [その他異物(夾雑物)]

紙製1L容器入り牛乳に100円硬貨位の黒褐色異物混入

 製品分類
  乳・乳加工品/牛乳
 事故分類
  その他異物(夾雑物)/牛乳炭化物
 事故内容
  スーパーマーケットで購入したものを翌朝飲んだところ容器の底に100円硬貨位の大きさの黒褐色の異物が入っていた。
 調査結果
  (1)対象異物の調査
この黒い異物の混入は今まで例が無く、濾過を行う牛乳の処理工程で混入するということが考えられず、従って異物そのものが何であるかも判らなかったため外部機関に依頼し、ものが何であるかを調査して貰うこととしました。赤外分光分析での分析結果としてこの異物は「牛乳の炭化物」であることがわかりました。つまり牛乳が加熱等の物理化学的な作用を受けた結果、黒色の不溶性のものに変化したものでした。

(2)異物混入の調査
1)先ず牛乳を炭化させる程の加熱作用が行える個所について、工程全般の入念なチェックを行った結果、充填包装工程で作動しているシーラーが射熱加熱方式ヒーターを装着しており、融着操作温度が426度に達することが判り、この温度であれば牛乳が炭化することもあり得ると考えられました。
2)そこで充填包装機の機構と装置の調整具合、およびシーラーの設定調整で牛乳炭化物が生ずる条件を再現させるための実験を実施しました。その結果を要約すると
a)牛乳の充填時に容器内に先行して入り牛乳を定量的に且つ周囲を汚染させないためのノズルの作動が調整不良の為に不適格な作動をし、シール部分に乳汁を付着させてしまい b)時間をおかずにシーラーで加熱加圧を行うため、異常な発煙と臭気を発生させながら瞬間的に炭化物が生ずること c)乳汁の噛み込みによりシール部分で炭化物が生じ、そのままの状態で出荷流通し開封時に底部へ落下沈澱することがわかりました。
 対策
 

(1)始業点検の必須点検項目として、充填包装機の調整、特にノズルの動作確認を行い、乳滴の切れ等適切な作動状態にあるかの点検を、毎日の作業基準に組み記録を残すこととしました。
(2)容器のサイズが変更となった場合、装置の設定変更を行いますが、この際も連続実運転に入る前に、テストランを実施するよう定めました。

 

  【参考文献】   全国食品衛生監視員協議会編:食品苦情処理事例集 p.10 (1992)