JFIA 一般財団法人 食品産業センター
HACCP関連情報データベース

ホームへ





危害情報5630・生物的危害 その他

データ
食品における微生物汚染の実態

ここ20年間でListeria monocytogenesによる大規模感染が何回か発生している。これらの食品製造工場や商品に関する情報から、特に長期間冷蔵保存される調理済み加工食品は汚染の危険が高いと考えられている。調理済み加工食品や鶏肉は病原体を媒介し、新たに処理する食品を汚染する危険がある。ゆえに、食品製造施設では効率的かつ衛生的な措置が求められる。

データ
汚染菌の性状

Listeria monocytogenesは食品加工に良く使われる成分で増殖できるため、たびたび調理機器などの表面で検出される。バイオフィルム内の細菌は消毒工程を経ても高い生存確率を示す。これらが剥離して食品に混入して汚染することがある。成熟したバイオフィルムでは消毒剤に対する抵抗性が更に増すため、目的の菌体やバイオフィルム形成の有無などの情報から慎重に消毒剤を選ばなければならない。

データ
防除技術と防除効果

二酸化塩素ガスは幅広い抗菌スペクトルを持つ優れた殺菌剤であり、バイオフィルムを形成するリステリア菌をも殺菌することができる。検証の結果、2mg/l×30分の二酸化塩素ガス処理により、機器表面のリステリア菌を殺菌できることが分かった。しかし、装置表面にバイオフィルムを形成した場合は処理時間が長くなるので(70分)、日々の清掃・消毒によりバイオフィルムを形成させないことが大切である。

データ
危害の種類

生物的危害

データ
試験対象
対象 その他
備考 調理済みの食肉加工製品のカットや成形などに用いる機器表面には、リステリア菌の付着や菌のバイオフィルムの形成が起こる可能性がある。このような場所を対象として、試験的にリステリア菌の付着を行い、これらに対する二酸化塩素ガスの殺菌効果を調べた。また、装置表面を仮想したステンレス片に菌の付着とバイオフィルムの形成を行い、同様に本ガスの殺菌効果を調べた。
データ
試験の想定箇所
試験の想定箇所 加工・調理時
その他の概要 調理済みの食肉加工に使用する商業用肉スライサーや工業用のホットドックピーラーのような機器のステンレス部分にListeria monocytogenesを付着させ、二酸化塩素ガスによる殺菌試験を行った。大型の機器や保存容器の殺菌は大量の薬剤や洗浄水を必要とする。これらを必要としない、便利で有効な殺菌方法を二酸化塩素ガスを用いて提案した。バイオフィルムの形成は日ごろの洗浄により防ぐことを前提とした。
データ
試験条件とデータ(初発・生菌)
試験方法 培地で1晩培養された5種類のリステリア菌混合液またはサロゲート菌を、以下の機器のステンレス部分に1cm2当たり20μl塗布して洗浄後2時間乾燥した。また、ステンレス片表面に4日間かけて菌のバイオフィルムを形成させた。二酸化塩素ガス処理を行い、生残菌数を調べ効果を評価した。
初発の菌数 肉スライサー 5.78±0.19 logCFU/cm2 、ホットドッグピーラー 6.15±0.18 logCFU/cm2 ステンレス片 菌体 5.85±0.15 logCFU/cm2 、バイオフィルム 5.13±013 logCFU/cm2 
備考 ガス処理後、機器の部品を250mlの増菌培地で培養し、その一定量をMOX寒天培地に塗沫接種し、37℃で24-48h培養後に黒色のコロニーを形成するかで、リステリア菌の増殖を確認した。尚、金属片に菌の付着またはバイオフィルムの形成を行い、同様の条件で殺菌し、残りの菌数を調べた。
データ
試験条件とデータ(殺菌)
殺菌温度と殺菌時間 ---
そのときの菌数 どちらの機器の部品からも、リステリア菌は検出されなかった。ステンレス片では、付着菌体は30分後、バイオフィルムは70分後に検出しなくなった。
その他の殺菌条件 2mg/lの二酸化塩素ガス、25℃、相対湿度75%、30分(機器)、30分(ステンレス片の菌体)、70分(ステンレス片のバイオフィルム)
予測D値 ---
備考 ステンレス片では、付着菌体とバイオフィルムに対して試験を行った。付着菌は殺菌処理時間30分で不検出となったが、バイオフィルムでは70分の処理時間を必要とした。工程で用いる機器は毎日の洗浄やメンテナンスによりバイオフィルムの形成が防げると仮定し、付着菌体のみに対して殺菌試験を行い、30分の処理時間で不検出とすることができた。
データ
試験条件とデータ(増菌)
増菌の条件(培地名) MOX寒天培地
増菌の条件(温度・時間) 24-48時間、37℃。
備考 黒色のコロニーを形成した菌数をカウントした。
データ
出典情報
文献名 総合衛生管理製造過程の承認施設における微生物制御のあり方 食肉製品製造施設
英文名 ---
雑誌名 日本食品微生物学会雑誌 Vol.16 No.1 (27‐34)
掲載年 1999
著者 岩本信剛
発行機関 日本食品微生物学会


(注)本サイトは情報紹介を目的としておりますので、詳細につきましては原本や発行機関等でお調べください。

JFIA一般財団法人食品産業センター  | ご利用案内 | 免責事項 |